男女の脳の違いについて

先日のことですが、研修を一通り終わっての質疑応答で、【男女の脳の違い】についてご質問をいただきました。

いわゆる「男脳」「女脳」については研究も進んでいて、様々な違いがあることがわかってきていますが、はっきりと数字に表れる違いの代表が犯罪率です。

殺人・傷害・強盗の男女比グラフを法務総合研究所からお借りして見てみますと、男性が圧倒的に多いことがわかります。

男女でどうしてこんなに違いが出るかということを簡単にいえば、女性の方が男性よりも共感を大切にするからということがまずあります。

男性が好む「理屈」「正論」などは、力勝負ができますが、女性が重視する「共感」は、力勝負とはほぼ無縁です。

女性は理屈がどうあれ安心すること(対人関係における感情面での安定)が最優先なんです。

妻が「自分の気持ちをわかってほしい」と思っているのに対して、夫が「だってこれこれこういう事情・決まりがあってそれに従わなければならないのだから反論しようがないだろう」と理屈を押してしまうことがよくあるのも、男女の脳の違いだということになると思います。

解決方法をどう選択するかということで、男は「対決して勝利する」という選択肢を取りがちなのに対して、女は共感に向けた「寄り添いを模索する」ということでもあります。

夫婦間(男女間)のすれ違いを避けるには、夫(男)が妻(女)の感情に寄り添うことが不可欠だということです。

これが封建社会だったら、女のほうが「男を神のごとく絶対的正義と信じて従う」という「服従」が求められたんでしょうけれど、今どきそれで良いと考えている人がいるとしたら、相当まずいと思います。

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)
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