前回は「自分は正しい、相手が間違っている」ということについて、一生懸命に考え続けてしまうこと、それが「怒り思考」だということを書きましたが、大事なことは、その思考から抜け出して自由になることです。
怒り思考を続けてしまうということは、怒り思考にとらわれて自由を失っているということです。
それを「B思考」とも呼んでいます。
「B」とは「Bondage」の頭文字で、「束縛」「屈従」「奴隷の状態」という意味です。
何の奴隷になっているかといえば、それは怒りの感情の奴隷になっているということです。怒りの感情というのは脳(扁桃体)の反射です。だから脳という持ち物の奴隷になっているということになります。
私たち自身である意識が、怒りという感情に支配されてしまい、その奴隷になったような状態で考えるのが「自分は正しい、相手が間違っている」という「怒り思考」です。
私たちが怒り思考で考え続けてしまうのは、その思考の先に「やっぱり自分は正しかったんだ。やっぱり相手が間違っていたんだ。」という結論が完全になってまた自由な状態に戻ることができると感じているからでしょう。
つまり、怒り思考の目的も、平常の自由な自分を取り戻すことにあるといえるんですが、そこには二つの問題があります。
(1)「やっぱり自分は正しかったんだ」という結末に達することが、それで本当にできるのかという問題
(2)それではやっぱり奴隷の状態から抜け出せないという問題
この二つの問題があって、(1)もかなり困難ですが、(2)の問題で奴隷状態から抜け出すためには、怒り思考をしない自分になるという、「精神的な成長」が求められますから、怒り思考を続けている以上はその成長も得られないということになります。
いずれにしても必要なことは、怒り思考から自由になること、それが一番大事な課題なんですね。
じゃあいったい、どうすれば怒り思考から自由になることができるのか?
それについては、アンガーマネジメントステップアップ講座「思考編」の4時間でよく理解していただくことができるはずです。