戦前の価値観を引きずってすらいた昭和のころなら、相手との価値観の違いについて、さほど寛容ではないという人も少なくなかったかもしれませんが、平成となり、21世紀となってさらに20年が経とうとしている昨今、もはや移民受け入れは必須という声さえ珍しくなくなってきて、日ごろから、コンビニなどで外国人店員に接客されるのも普通ということになってきますと、自分の常識が必ずしも相手に通じないという認識をもたないことには暮らしづらい日本社会になってきました。
そんな中、近づくオリンピック開催で「顔」を演じ、NHK教育番組のレギュラーでもあるという芸能人が、法律でも厳しく禁じられている未成年者へのわいせつ行為をしたということで、刑事事件になろうとしています。
彼ひとりの問題ではないはずで、「人気以外に素養は不要」の「芸能人」の世界には、きっとまだ古くて陰湿な価値観が残っているんでしょう。筆者も娘二人(もう成人していますが)の父親として、暗澹たる気持ちになってきます。
もうこのへんで、芸能界やテレビの世界の人たちは、自分たちの価値観をすべて洗い出して見直す時期にきているんだろうと思います。
なにが当たり前で、なにが当たり前でないのか、なにが悪いことで、なにが正しいことなのか、いくら多様化したとはいっても、異なる価値観をもつ者どうしがひとつの社会に共存していくためには、最低限度の倫理観を共有する必要があります。
それを警察が監視するのが法律ですが、警察に訴えられなかったらやっても大丈夫という「悪事」を働く「影の犯罪者たち」を、「芸能界」や「テレビ界」はまだ大勢隠しているのではないかと思われてなりません。