2019年の暮れに静岡新聞社から拙著『余ハ此處ニ居ル 〜家康公は久能にあり』が出版されてもう一年以上が経っています。
この本については、これを原案として1時間のテレビ特番も放送され、さらに今年になって、静岡新聞社から静岡市内の全小中学校に本と特番のビデオが寄贈されるという、大変にありがたい方向へと発展し、講演にも呼んでいただけるようになりました。
一方で、当教室のアンガーマネジメント講座を受講してくださった方々から、講座の理解を深めるためにも本を出してほしいという声をいただくようになってすでに何年も経っています。それにも関わらず、その間に上梓したのは専門外の歴史の本だけですから、もういい加減なんとかしないといけません。
そのための準備を始めたのは、もういつのことだったかわからないほど前のことになるんですが、まだまとまった形になってきません。
どうせ書くなら何万人という大勢の皆さんに読んでいただきたいので、生半可なものにはしたくないという思いも筆を遅らせる原因のひとつですが、昨今の脳科学の研究成果がとてもたくさんあって、しっかり勉強しきれていないということもあります。
うっかり拙速をやってしまうと、後になって、あの情報は古かったとか、真逆の新説が出てきたといった場合に面倒でもあり、本は価値を損ないます。
それに加え、テーマと読者対象を絞りきれないという問題も抱えています。
一番やりたいのは、ちょっと抽象的にいえば、不幸を減らしたい、なくしたいということです。
不幸とは、パワハラ、鬱、虐待、いじめが主なものですが、この四つに絞ったとしても、まだまだテーマが広すぎてしまうんです。その四つのうちひとつをテーマとし、あとは第二弾、第三弾と繋げたいものですが、じゃあ最初はどれなんだというところでまた悩み、先に進まなくなったりします。
普遍的なものを書きたい、他の専門家の先生方からも高い評価をいただきたいといった欲もあります。
四月が父の一周忌となりますので、いよいよこれ一本で腰を据えて書いてみたいと考えています。それでもまたそれが準備になってしまうかもしれませんが、適切な時期というのは必ずやってくるはずです。
それは、自分で考えて決めた時期ではなくて、自分を取り巻く人々や時流など、あらゆる要因から自ずと決まってくるものだろうと思っています。