ワクチン接種が始まりました

新型コロナウイルスのワクチン接種が、医療関係者や高齢者から始まっています。

こちら静岡県は、全国都道府県の中でも人口10万人あたりの感染者数が非常に少ないようで、下から4番めぐらいだとも言われているようです。

そもそも欧米などと比べると、日本全体が非常に感染が少ないということは明らかですから、私たち日本に住む者にとってはさほど大きな危機ではないのかもしれません。そのせいもあって、欧米などよりもワクチン接種が後回しになっているというのが実際のところだそうです。

オリンピックの開催もまだ危ぶまれていますが、これはどうやらIOCが決めることであるとともに、参加各国が選手派遣をするかどうかという問題にかかっていて、日本と日本国民にどれほどの決定権があるのかという話です。もちろん、東京都と日本政府が「やめます」としてしまえば誰も来なくなるということはあるんでしょうけど、昨年からずっと難しい判断が続きます。一方で、オーストラリアからワクチン接種を終えたソフトボールの選手団が来日したというニュースもありました。

テニスの全仏オープンで、大坂なおみ選手が試合ごとの会見に応じないと言って、それで多額の罰金を払ってもかまわないと言われたことも大きなニュースになっていました。

大阪選手ひとりの問題ではないと彼女は言いたいようですが、いや、それは彼女個人の勝手だと見る向きも多く、テニス四大大会の主催者が合同で彼女を出場させないとまで言い出しています。それを受けてか、きょう彼女は二回戦から棄権したという報道もありました。

大阪選手のメンタルの、弱さというか、デリケートなところに端を発する問題だとは思うのですが、人の性格というのは自分で選んで決めたものではありません。「その性格、治せよ」と言われて治すのは容易なことではないというのを私たちは誰でも知っています。

性格は絶対変えられないというほどのものではありませんが、その人の置かれている環境やその性格自体によっては、変えられないということもあると思いますから、性格を変えろという要求が妥当なものかどうかは、ケースによって変わってくるわけです。

日ごろの人間関係においても、相手の性格がイヤだとか、生理的に無理だといった反応になってしまうことが人によってよくあります。

人の性格というのは、本人が望んだのではなく、持たされてしまった持ち物だと考えようということを講座でお話しすることがありますが、これは是非そう考えて人と付き合っていきたいものだと思います。

望まず持たされたということでは、性格も、体格も、容姿も、みな同じことです。体格や容姿を批判すれば批判する人が間違っていると言われるのに、性格だけは批判していいというのはおかしな話です。

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)
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