共感を壊すNG思考

とても久しぶりの更新になってしまって、お読みくださっている皆さんには、本当に申し訳なく、お詫び申し上げます。

今回は「NG思考」というものを知っていただきたいと思います。

NG思考とは、やらない方が楽になれる思考のこと。

いろいろありますが、その代表が「ワルイ思考」です。

▼ワルイ思考
「あの人が悪い」
「自分は絶対悪くない」
「自分も悪いかもしれないけど、あの人はもっと悪い」
「自分は間違ってない。間違ってるのは相手の方だ」

これは以前からここでよく紹介している「怒り思考」なんですが、「怒り」というほど感情は強く出ていないものの、上のような考えをしていれば、それを「ワルイ思考」と呼ぶことにしています。

これと同じような、やらない方が楽になれる「NG思考」には、次のようなものがあります。

▼セイダ思考
「あの人のせいだ」
「あの人のせいでいつも嫌な思いをする」
「自分のせいにしないでほしい」
「自分がバカなせいだ」

このように「せいだ」「せいで」が出てくる思考です。

▼クセニ思考
「新入りのくせに偉そうだ」
「経営者のくせにそんなことも知らないのか」
「自分がやると言ったくせに何もやっていない」

このように、相手を責める「くせに」が出てくる思考です。

「NG思考」と見るべき思考は、まだ他にもいろいろあるんですが、これをやるとどうして苦しくなるかと簡単に言えば、人との共感を壊してしまうからです。

このコラムですでに何度も書かせていただいていることですが、《共感》こそが、私たち人間が生きていくうえで《一番欲しいもの》です。

私たちは生まれたばかりのころから《共感》を求め始めるというのが事実です。《共感》なしには生きられないんです。

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)
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