談志師匠があっちに行ってしまってもう8年が経ちました。
寄席に行って高座を見せてもらったのはわずか2回。
1回はトリなのに遅刻して客を待たせて、噺の時間なく、小噺のみで、やたら申し訳ないと謝って「皆さんお帰りになるまでずっと土下座させていただきます」って言ってほんとにずっと土下座してました。
ああいう感情の表し方、あれが昭和以前の、日本人が手本とすべきコミュニケーションスキルというものでした。
今ではそれがどんどん減ってしまって、ビートたけしですらできない。毒蝮三太夫はできた、というかそれしかできなくても商売になっていた。渥美清もできていたと思うけど、DVという裏があった分だけ後ろ暗さが隠しきれなかったんでしょう。
感情表現ができなくなった日本人をあの世から見下ろして、談志師匠がきょうも泣いてないかと心配でなりません。
自作回文:たてっかわのだんしがしんだのわかってた(2011年作)