もう8年

談志師匠があっちに行ってしまってもう8年が経ちました。

寄席に行って高座を見せてもらったのはわずか2回。

1回はトリなのに遅刻して客を待たせて、噺の時間なく、小噺のみで、やたら申し訳ないと謝って「皆さんお帰りになるまでずっと土下座させていただきます」って言ってほんとにずっと土下座してました。

ああいう感情の表し方、あれが昭和以前の、日本人が手本とすべきコミュニケーションスキルというものでした。

今ではそれがどんどん減ってしまって、ビートたけしですらできない。毒蝮三太夫はできた、というかそれしかできなくても商売になっていた。渥美清もできていたと思うけど、DVという裏があった分だけ後ろ暗さが隠しきれなかったんでしょう。

感情表現ができなくなった日本人をあの世から見下ろして、談志師匠がきょうも泣いてないかと心配でなりません。

自作回文:たてっかわのだんしがしんだのわかってた(2011年作)

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)
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