自分と家族を受け入れて許す

「楽になる」ということを目標にして基礎講座を開いているアンガーマネジメント静岡教室です。

楽になることが実はなかなか大変だったりするのはなぜかといえば、その多くが【自分の思考】に苦しめられているからです。

思考というのは、「考えよう」と決めて考えるのではなく、「考えたくない」と思っても考えてしまうものです。自分の意志に関わらず、無意識に働いている脳が「ほら考えろ。もっと考えろ」と、要らないことを考えさせるんです。

要らないことというのは、考えるほどに苦しくなること。考えなければいいのに考えてしまい、止めようと思っても止められないことです。

くよくよしやすい性格というのがあります。それほどくよくよしないと思われる性格の人でも、精神的にちょっとしたダメージがあるとくよくよしてしまうということがあります。どちらにしても、それは自分の性格からくるものだったり、自分の性格によって間違いをおかしてしまったことを悔やんだりするんです。

性格というのは、体格と同じです。

体格も性格も、どちらも自分で選んではいません。自分がこういう体格になりたいと思っても、脚を長くすることはできませんし(とてもつらい外科手術をすれば別)、手を大きくしたり小さくしたりすることもできません。

同じように、性格は親から受け継いだDNAによるものと、育ててくれた親(親でない場合はその人)による自分への接し方などによって決まってきます。いずれにしても自分で性格を選んだわけではないんです。

楽になるためには、自分に与えられた性格を、そのままによく理解すること。そしてその性格をそのままに受け入れることから始めます。

そのままに受け入れた自分の性格ですから、その性格によって人生がうまくいくことも、失敗してしまうこともあります。

うまくいくばかりならいいですが、失敗することも少なくありません。

そして、失敗してしまう自分の性格を【許す】ということがとても大切になってきます。

自分を理解して、自分の悪いところを受け入れ、自分の悪いところを全て許す。

これができれば、人の悪いところも受け入れて許すことができるようになるはずです。特に身近にいるのが自分の家族ですが、一番身近にいる家族を許せなければ、人生はいつまでたっても楽にはなれないんです。

自分への無理な要求は何も生み出しません。自分を痛めつけるだけです。

身近な人への無理な要求も、やはり何も生み出しません。その人を痛めつけるだけです。

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)
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