前頭前野と扁桃体

脳科学で見る怒りのメカニズム

脳科学から見た場合、アンガーマネジメントがすべきことはこの2つだけといっていいかもしれません。

(1)扁桃体を暴走させないこと。
(2)前頭前野を強くすること。

どういうことなのか、もう少しくわしく見てみましょう。


前頭前野(前頭前皮質、prefrontal cortex、PFC)

前頭前野というのは、脳の前頭葉にあって、脳の最高中枢とされるところです。

人間が人間らしくあるために必要な “人の心” というものは、ここにあります。

かつては、「心はどこにあるか?」ということで、果てしない議論もあったようですが、最新の脳科学では、人間らしい “人の心” というものは前頭前野にあるということで決着しています。

前頭前野は、次のようなことをおこなっています。

  1. 人の心、意識の中心として働く。
  2. 社会性=人間性をつかさどる。
  3. 人の表情を読み取る。
  4. 適切な問題解決をはかる。
  5. 人を助けたい、救いたいという意志を持つ。
  6. もっと理解したいという意志を持つ。

このような前頭前野を強くすることができれば、私たちは良い判断をすることができます。

また、感情的な危機にあっても、人間性を失うことなく振る舞うことができます。


扁桃体(扁桃核、Amygdala)

一方で、扁桃体は、 “情動の中枢” とされるところで、人間であるなしに関わらず、自分が生き残るために必要な、原始的な衝動をつかさどっています。

  1. 側頭葉内側の奥の方に左右二つある神経細胞の集まり。
  2. アーモンド(扁桃)の形をしている。
  3. 大脳よりも古い大脳辺縁系の一部。
  4. 原始的な感情の反応をする。
  5. イヤなことがあったり、身の危険を感じると、全身に戦闘態勢か逃避態勢を取らせる。
  6. ストレスが持続すると、コルチゾール(ストレスホルモン)が蓄積する。
  7. コルチゾールが蓄積すると扁桃体は暴走した状態になる。


扁桃体のやることというのを簡単にいえば、相手から攻撃されたら反撃するか逃げるか、どっちかを取る。

というようなことです。

「リベンジ」とか「倍返し」とかいった言葉が流行るようですが、そのようなリアクションをするのが扁桃体です。

扁桃体のリアクションというのは、人間でなくても、どんな動物でも取り得るリアクションです。

そこには特に、人間らしさというような、私たちが持つべき崇高な精神というものはありません。


動物の扁桃体と現代人の扁桃体

脳の中でも、もっと下等な動物でも持っている原始的な部位にあるのが扁桃体です。

それが進化とともに、脳に新しい、より高度な思考をするための層が加わっていきました。「大脳新皮質」というのも、「新」とあるように、人間などの高等生物であるほどに大きくなってきています。

それでも、原始的な扁桃体がそのまま残っているのはなぜかといえば、いくら人間が高度な思考や推論や分析ができるようになったからといっても、とっさに降りかかる身の危険に対しては、ちゃんと対応できる必要があるからです。

ところが、人間関係の中で生きている現代の私たちは、ささいなことでも「イヤなこと」があると、この扁桃体が反応してストレスを感じてしまいます。

しかもそのイライラや怒りの感情からなかなか解放されないというのは、扁桃体がコルチゾールというストレスホルモンを溜め込んでしまうためです。

言葉も使えない動物なら、危険を感知して扁桃体が強く反応したとしても、危険が去るとともにまた平常に戻ることができますが、私たちは言葉だけでなく、相手の顔色やちょっとした乱暴な動作に対しても、ビクン! と大きく反応してしまい、それがまた思考や言葉によって増幅されて、来る日も来る日も、ストレスから解放されにくくなっています。

つまり、他の動物よりも思考や言葉が発達しているということが、ストレスを強くする原因になっているというわけです。


ストレスと老化、ストレスと美容

コルチゾールというストレスホルモンが増えると、DHEAという若返りホルモンが減り、コルチゾールが減ればDHEAが増えるというように、2つのホルモンは「シーソー」の関係にあるそうです。

DHEAは、増えると若く美しくなるホルモンで、最近ではサプリメントとしても売られていますが、口から服用するそうしたサプリメントでは、ニキビが出るなど、副作用もあるそうですから、できれば自分の体内で、自然に増やしたいものです。

DHEAを増やすためには、コルチゾールを減らすということになります。

コルチゾールを減らすためには、怒りやイライラを減らし、ストレスを減らすしかありません。
(それはまさに、アンガーマネジメントに求められていること、そのものでもあるわけです。)

コルチゾールが蓄積すると、DHEAが減るだけでなく、脳細胞を減らしてしまうとか、認知症や不眠になりやすくなるとか、コラーゲンの生成が阻害される、さらに寿命を縮めるという研究データも出ていますから、怒りやイライラを放置して良いことはひとつもないんですね。


扁桃体を健康にする

ちょっとしたことでも、扁桃体が「ビクっ!」と反応してしまったり、ちょっと嫌なことがあるとそのことについて考えてしまって扁桃体にコルチゾールが増え続けてしまったりということがないように、扁桃体の過剰な反応を理性的に抑えることのできる前頭前野を強くするというのももちろんなんですが、扁桃体そのものも、ストレスをスカっと発散することができるようになったらいいですね。

そんな方法も、もちろんあります。

原始的な感情をつかさどるのが扁桃体ですから、怒りやイライラといった嫌な感情だけでなく、喜び、スリル、快感などといった、好ましい方の感情も、伸び伸びと解放してやるという方法です。

“喜怒哀楽のバランスを保つ”ことで、怒りやイライラに偏らない扁桃体にするわけです。

たとえば…

  1. 自分だけの時間をしっかり確保して、好きなことに打ち込む。
  2. 規則正しく暮らす。
  3. 毎日軽い運動をしたり日光を浴びたりする。
  4. 山、川、浜などへ行き、自然に癒される。
  5. 「うれしー!」「きれい!」「楽しー!」「大好き!」「気持ちいー!」など、感情を大きく出す。
  6. 映画や小説で笑ったり泣いたりする。
  7. スポーツ観戦などでエキサイトする。

そんな中でも、日ごろ自分が抑圧されていると感じている人には、サッカー観戦や競輪の観戦などもおすすめです。実際に戦うのはプロ選手ですから、大声で応援したり、野次を飛ばしたりすることができます。


前頭前野を強くする

扁桃体がいくら健康になったとしても、扁桃体の暴走が完全になくなるわけではありませんから、前頭前野を強くすることはやはり必要です。

それには、次のようなことが基本になります。

  1. イライライしたり怒ったりしているまさにその時、自分を客観的に見る習慣を身につける。
  2. 怒りやイライラの原因としくみを正しく知り、実際にそうなっている時にもしくみを自覚する。
  3. 怒りやイライラの反射から “好ましくない自動思考” が始まってしまうことを常に自覚する。

このようなことが実際にできるようになるように、当教室では「アンガーマネジメントステップアップ講座 思考編」を開催しています。

前頭前野を強くするということは、どんな苦境にあっても失敗しない、 “より良い判断” ができるようになるということです。

それができるようになるには「良い経験を積むこと」(『脳には妙なクセがある』池谷裕二先生著)ともいわれていますが、当講座では、そのように「良い経験をたくさん積んできて誰よりも良い判断ができている人」という現実にいる人たちに共通した「判断のしかた」と「思考法」を学びます。

自分で一から経験を積んでいくよりも、はるかに確実で実効性がある方法ですから、大いに期待していただきたいと思います。

世界一の効果をめざす、静岡教室だけのアンガーマネジメントプログラムです。

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