怒り思考に気づいて関係を改善する方法

怒り思考とはB思考によるもので、対人関係で気分を害されたり、反目したりしたときに、「相手が悪い」「自分が正しい」といった考え方をする思考のことです。

対人関係のトラブルがあると、多くの人がそのような思考におちいりますが、中にはまったくそんなことはなく、「自分のどこがいけなかったんだろう?」と考えて、怒り思考にはまったくならないという人もいます。

怒り思考になりにくい人というのは、まず例外なく信頼が厚く、家庭でも仕事でも対人関係の不毛なトラブルに関わっていることが少ないということがいえますが、そのような人は割合としては少数派になるようで、ほとんどの人がほとんどのケースで怒り思考になるようです。

アンガーマネジメント静岡教室で開催している『アンガーマネジメントステップアップ講座〜思考編〜』では、普通なら怒り思考におちいってしまうような場面において、どうしたらそこから抜け出せるかという、その具体的な方法を学んでいます。

たとえば座禅などで、自分の呼吸に意識を集中させて思考を停止するということがおこなわれますが、怒り思考をやめるというのも、同じ方法でも一応可能です。

ところが、思考をただ停止させるだけですと、呼吸に集中させていた意識がもとに戻ったとたんに、また怒り思考が始まってしまいます。怒り思考をするにはそれだけ嫌な思いをさせられたからであり、それだけ怒りやイライラが強いからですから、一時的な思考の停止だけでは怒り思考から抜け出すことは困難です。

そこで、B思考である怒り思考とは別の思考に切り替えるということが必要になります。それがA思考です。

A思考では、最新の脳科学や生物学などで論じられている通り、「自分」の本質を「共存するための個体」であるととらえ、その本質を見失わないよう、脳の自己防衛や自己弁護による「正当化」に縛られないところで思考します。

もう少し具体的にいえば、A思考は「自分が正しいか間違っているか」といったこととは無縁の思考で、「相手の性格や置かれていた状況などを理解したい」という気持ちになって考えることです。

それができるようになると、怒りやイライラから抜け出すことができ、怒りやイライラによって生じるガマンやあきらめといった「自分自身の内側に向けられる怒り」からも自由になることができます。

これらメソッドのすべては、脳科学や生物学など、最新の科学から得られた事実を元にしていますが、『アンガーマネジメントステップアップ講座〜思考編〜』では、その最も大事なポイントを楽しく、わかりやすく身につけることができるはずです。

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。