“性格のまま” と “プラスアルファ”

性格そのままとプラスアルファ。思考判断の違い
これは、静岡教室のアンガーマネジメントでやろうとしていることを図にしたものです。

左の「性格そのまま」を見てみると…

遺伝的、つまり先天的な脳の個性と、経験によって決まってきた脳の個性があって、その二つによって「性格」という脳の個性が決まってきます。

左は、それが思考・判断のしかたを決めているという図です。

それに対して右の「Anger Management」を見てみると…

左と同じように「性格」が決まっていますが、それにもうひとつ「プラスアルファ」を加えることによって、性格そのままではない思考・判断をしようという図です。

このコラムで何度も紹介しているように、私たちは理性も含め、ほとんどを無意識のプロセスで判断しています。判断のプロセスのうち、自分でちゃんと意識できるのはたったの5%とともいわれていますから、その95%が、無意識のうちに性格などが決めてしまっているということです。

例えば異性について、好きなタイプや嫌いなタイプというのがありますが、どうしてその人が好きなタイプで、あの人は嫌いなタイプなのかということを、私たちは明確に説明することができません。

異性でなくても、特定の人の性格について見る場合に、自分の性格と相性が良い/悪いと感じることについても同じです。

「そんなことはない。自分はちゃんと説明できますよ」という人でも、脳科学ではその説明のほとんどを「後づけ」であると見ます。たとえ納得のいく説明ができたとしても、それは「納得してもらえる説明をしよう」という意識によって、思考をフル回転させて導き出したものなんですね。

頭の良い人は、うまい説明をして、それ以後に繰り返される判断にわたっても整合性の取れる説明をするかもしれませんが、それとても「矛盾が出ないように説明する」という能力に長けているからできた説明であって、無意識下で判断していた本当のプロセスを全て意識の表に出すことができたということはめったにないということです。

静岡教室のアンガーマネジメントでやろうとしている課題には、「嫌いなタイプ」の人に対する不愉快な感情という判断を無意識のままにせず、どんなタイプの人に対してもできる限り公平に接することができるようになることという課題が含まれます。

そのために必要となる「プラスアルファ」をどうやって身につけていくかというのが、アンガーマネジメント静岡教室の「アンガーマネジメントステップアップ講座思考編」です。

Akira Okitsu
1960年6月静岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。語学教育と教員指導の経験から、脳科学・心理学・言語学からなる認知科学の研究を始め、1994年言語学専門誌『言語』(大修館書店)にて、無意識下で「(見え)る/(見え)た」などの語形を決定する認識の根本原理の存在を言語学史上初めて指摘する。認知科学の知見を実用化して、アンガーマネジメント・メンタルトレーニングプログラムの開発、観光振興関連コンテンツの開発を行っている。アドマック株式会社代表。日本認知科学会会員。 【著書・著作】 ■『日本語入門 The Primer of Japanese』(1993年富士国際日本語学院・日本語ブックセンター創学社) ■『新しい日本語文法』(大修館書店『言語』1994年12月号) ■『夢色葉歌 ─ みんなが知りたかったパングラムの全て』(1998年新風舎出版賞受賞) ■『興津諦のワンポイントチャイニーズ』(2011年〜2012年SBS静岡放送ラジオ) ■『パーミストリー ─ 人を生かす意志の話』(2013年アドマック出版) ■『日本語の迷信、日本語の真実 ─ 本当の意味は主観にあった』(2013年アドマック出版) ■『余ハ此處ニ居ル ─ 家康公は久能にあり』(2019年静岡新聞社)

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