毎日のように、信じられないような事件が起きています。
私たちが日本にいて知ることができる事件は限られていますが、治安の良いはずの日本でも、凄惨な事件が続きます。
怒りを抑えることができずに犯行に及ぶというのが傷害事件や殺人事件ですが、「自分をここまで怒らせた相手が悪い」と犯人が考えていることが多いようです。
当教室では「怒り思考」「ワルイ思考」などと呼んで、怒りを自分で増幅させてしまう思考をなくすための講座を開催しています。
怒りには二段階あって、最初の「ムカっ!」「イラっ!」「カーっ!」というのは「脳の反射」であり、足をぶつけて「痛いっ!」というのと同じなので避けられませんが、その次にくる「怒り思考」については、誰に教えられなくてもそんな思考をしないという人と、いくら教えられてもその思考をどうしても続けてしまうという人がいて、そこに個人差があるんですが、そんな思考さえしなければ、最初の「ムカっ!」「イラっ!」「カーっ!」は自然と収束して平穏な心に戻ることができます。
つまり、「怒り思考」というのは「自分を怒らせた相手のせい」ではなくて、「思考をしてしまう自分のせい」なんですね。
そのように、最初の反射を受けて思考して、自ら怒りを増幅させているのが問題になるわけです。
怒りを増幅させる思考さえしなければ、他者や自分を傷つけたり殺したりするようなことにはならないのですから、犯行に及んだ犯人が「相手のせいだ」と考えているのは、明らかに間違いです。
怒りのメカニズムは、1に反射、2に思考ですから、1の反射だけなら犯行とまではいかないはずなのです。
怒りを増幅させているのは、自分でそう考えること、つまり、2の思考そのものです。つまり犯行の原因は、そのほとんどが犯人自身の思考だということになるんです。